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iSCSIのベストプラクティス:本番環境への導入時の課題を解決する

Lee Levenson
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このベストプラクティス ドキュメントは、本番環境における多数のONTAP 7-Mode HAペアと30を超えるONTAP SANクラスタの設計、実装、管理を通じて得られた私の経験を共有することを目的として作成しました。この知識は、私が長年にわたって経験してきたiSCSI導入の実体験に基づいています。本ドキュメントは、ラスベガスで開催されたNetApp Insight 2018のiSCSIベストプラクティス ホワイトボード セッションで参考資料として使用されました。iSCSIの導入を成功させるのに役立つテスト済みのベストプラクティスをお探しの場合は、本記事をご覧ください。

本題に入る前に、いくつかの重要な定義とNetAppユニファイド ストレージの概要について説明したいと思いました。

NAS – ネットワーク接続型ストレージ:ONTAPがファイルシステムを制御するファイルベースのストレージ(NFS / SMB(CIFS)、SMB3)。

SAN – ストレージ エリア ネットワーク:ホストがファイルシステムを制御するブロックベースのストレージ(FC、FCoE、iSCSI)。

LUN – 論理ユニット番号:接続されているSCSIディスクの論理表現。

SCSI – スモール コンピュータ システム インターフェイス:データの送信に使用されるコマンド、プロトコル、インターフェイスを定義する一連の標準。SCSIでは、512バイト ブロック単位でのデータへの低レベル アクセスが可能です。これは非常に効率的で、NAS(ファイルレベル)アクセスに比べてオーバーヘッドが低くなります。SCSIは、エンタープライズレベルのプロトコルに最適な、高い耐障害性を備えています。SANではSCSI-3プロトコルが使用されます。

FC SAN – ファイバチャネルSAN:FCプロトコルを使用してFCポート経由で通信します。FCではSCSIコマンドがFCフレームにカプセル化されます。 IP SAN – iSCSI SAN:iSCSIプロトコルを使用してイーサネットポート経由で通信します。iSCSIではSCSIコマンドがIPパケットにカプセル化されます。TCPポート3260を使用します。 FC SANでは、ワールドワイド ノード名(WWNN)がマシンを表し、ワールドワイド ポート名(WWPN)がそのマシンに接続された物理ポートを表します。IP SANでは、ノード名がマシンを表し、ポータルが物理ポートを表します。iSCSIノードごとにノード名が必要です。サポートされているノード名の形式は、IQN(iSCSI修飾名)とEUI(拡張固有識別子)の2つです。

ベストプラクティス

物理ポート: データ ポートとクラスタ インターコネクト ポートでMTUを9,000に設定し、すべてのポートでflowcontrolを無効にします(net port show -fields mtu, flowcontrol-admin)。

マルチパス: ストレージ コントローラ内のFC SANポートとIP SANポートは、特定用途向け集積回路(ASIC)チップセットを使用します。1つのASICが単一点障害となるのを避けるために、ターゲット ポートがコントローラまたはアドオン カード内の複数のASICチップに分割されるようにすることが重要です。

例: (IP)e0aとe0bが同じASICにある (FC)0aと0bが同じASICにある

適切な使用法は次のとおりです。 (IP)e0aとe0c、e0bとe0dで分割する (FC)0aと0c、0bと0dで分割する

ALUA(非対称論理ユニット アクセス)パス最適化の選択: ALUAは、FCとiSCSIのどちらの実装でも必要です。

アクティブ / 最適化パスとアクティブ / 非最適化パスはどちらも、ノードごとに最低1つのパスでアクセス用に設定されます。パフォーマンスを向上させるために、ノードごとに複数のパスを設定し、マルチパスに2つ以上のパスを使用できるようにすることを強く推奨します。

アクティブ / 最適化パスでは、LUNを所有するノード上のイニシエータとターゲットの間に直接パスまたはプライマリ パスが使用されます。アクティブ / 非最適化パスでは、イニシエータとターゲットの間にクラスタ インターコネクトを介した間接パスまたはセカンダリ パスが使用され、レイテンシが増大します。

パスの選択(ラウンド ロビン): ホストでは、アクティブ / パッシブ アレイに接続する場合はすべてのアクティブ パスでローテーションされ、アクティブ / アクティブ アレイに接続する場合はすべての使用可能なパスでローテーションされる、自動パス選択アルゴリズムが使用されます。ラウンド ロビン(RR)は、多くのアレイでデフォルトで設定されており、アクティブ / アクティブ アレイとアクティブ / パッシブ アレイの両方で使用して、複数のLUNのパスへの負荷分散を実装できます。NetAppの製品はデフォルトでアクティブ / アクティブ ソリューションに構成されています。お客様の要件に応じて、アクティブ / パッシブに構成できます。

ジャンボ フレーム: ジャンボ フレームとは、ペイロードに対するパケットのオーバーヘッドの割合を減らす、より大きなイーサネット パケットのことです。デフォルトのイーサネット フレーム サイズ(MTU)は1,500バイトです。ジャンボ フレームの場合、MTUは通常、サーバやストレージなどのエンド ノードでは9,000に設定され、物理スイッチではそれよりも大きな値(9,198、9,216など)に設定されます。最大サイズのパケットが切り捨てられたり断片化されたりしないように、すべての物理デバイスと論理エンティティでジャンボ フレームをエンドツーエンドで有効にする必要があります。

物理スイッチでは、スイッチの実装に応じて、グローバル設定かポリシー オプションで、またはポートごとに(ESXiとNetAppクラスタのノードで使用されるすべてのポートを含む)、サポートされている最大値にMTUを設定する必要があります。また、ESXi vSwitchとVMkernelポート、および各ノードの物理ポートまたはインターフェイス グループにもMTUを設定し、同じ値を使用する必要があります。

問題が発生した場合は、VMkernelまたはvSwitchがジャンボ フレーム用に設定されていないことが原因であることがよくあります。独自のNFSかCIFSスタックまたはiSCSIイニシエータを介してストレージに直接アクセスする必要があるVMゲストの場合、VMポート グループにMTU設定はありませんが、ゲストでMTUを設定する必要があります。次の図は、さまざまなネットワーク コンポーネントのジャンボ フレームMTU設定を示しています。 ブロードキャスト ドメイン: ifgrpとVLANを作成したら、ifgrpとデータ ポートをデフォルトのブロードキャスト ドメインから削除し、データ ブロードキャスト ドメインを作成します。そして、ifgrpとデータ ポートをデータ ブロードキャスト ドメインに移動し、MTUを9,000に設定します。

ご不明な点がありましたら、X(旧Twitter)の@cartracrで私にお声がけください。

このドキュメントの内容のチェックに協力してくれたSteve Botkin(@SANTechArch)に感謝の意を表します。

Lee Levenson

Leeは、シニア ストレージ エンジニア、ストレージ アーキテクト、NetAppのエキスパートであり、NetApp Unitedのメンバーでもあります。IT業界で25年の技術経験を持ち、主にエンジニアリング リソースのサポートに取り組んできました。筋金入りのクルマ好きで、自動車やオートバイのレースに情熱を注いでいます。また、熱心な写真家でもあり、FCC公認アマチュア無線家でもあり、カリフォルニア州サンタクララ郡とモーガンヒル市の緊急通信ボランティアも務めています。

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